オタクの独り言

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ATRI -My Dear Moments- 感想

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◇製品概要

 タイトル:ATRI -My Dear Moments-

 ブランド:ANIPLEX.EXE(フロントウィング × 枕)

 発売日 :2020-06-19

 原画  :ゆさの、基4

 シナリオ:紺野アスタ

 

◇製品リンク

 ◇OP


ANIPLEX.EXE『ATRI -My Dear Moments-』オープニングムービー

 

◇特徴

  • ロープライス
  • 全年齢
  • ヒロインがロボット
  • 青春モノ
  • 田舎

◇以下の人にオススメ

  • ノベルゲーム初心者
  • 青春モノが好き
  • 心に残るゲームがやりたい

 

◇感想

アトリ、幸せになってくれ・・・!

自分の中で期待値を上げてからプレイして、期待以上の作品だった本作。まず発表された時に思ったのは、

 

うわ、ヒロインくっそかわいい… 

 

という、まぁよくある感じ。というかどこの作品?ギャルゲでアニプレックス?あ、全年齢なのか、と思いながらテーマを見ると、 

 

“ノベルゲームだから、おもしろい。”

 

なんとなく分かったような分からないような。制作を見ると、 

 

フロントウィング × 枕

 

エロゲじゃん! スタッフを見ると

 

紺野アスタ、SCA-自、基4、松本文紀…

 

エロゲじゃん!ひまなつじゃん!(向日葵の教会と長い夏休み)

というかフロントウィング要素どこ?と思ったらアスタ先生がフロントウィング所属になってた。フリーじゃなかったのか!(ここで知った)

ということで、製作陣の時点で期待していた。ところでヒロイン描いてるの誰だろう、おぉ枕所属の人なのか、と新しい発見があったり。ゆさの先生、覚えました。

世界観からして、あぁこれ絶対好きなやつってなった。荒廃した世界、ノスタルジックな感じ。美麗なCGに透明感のあるBGM。どストライクなんだよね。

気付いたら体験版が出たので即プレイ。体験版なのに思ったよりボリュームがあった。あぁここで体験版終わりかなーというところからもっと先まで遊べた。これで期待値がかなり上がった。やっぱりアスタ先生の青春モノってすごい。主人公の心情の変化がよくわかる。何より日常が丁寧に書かれていて飽きが来ない。そして仲間と協力して何かを成し遂げる描写に関しては流石としか言えない。説明パートも分かりやすい。昔、自分でゲームを作るのに参考になると思って、某有名ライターが書いた、ノベルゲーのシナリオの書き方、みたいな本を読んだことがある。そこには「自分が専門家でなくても、それを専門家が読んで納得するシナリオを書かなければならない」というようなことが書かれていたのを覚えている。説明パートにはこれを感じる。同じくアスタ先生が企画・シナリオを担当したPULLTOPの「この大空に、翼を広げて」をやった人なら分かるはず。あんな感じだ。まぁシュタゲみたいに、なんちゃって科学でも面白ければそれでいい、みたいなのもあるけどね。とにかく、非日常の中でも現実的な描写については流石だなぁという感じ。

そして体験版までやって気付いたこと。

 

価格:2000円+税

 

ロープラかよ!

なるほど、ATRIはノベルゲー普及のゲームなのね。それにしても製作陣ガチだなぁ。(サクラノ刻はどうなってるの?)なんてことを思ったり。いつの間にか配信日が発表されてアニメーションPVが作られていた。


ANIPLEX.EXE『ATRI -My Dear Moments-』スペシャルアニメーションPV

アトリがかわいい。とにかくかわいい。これは売上次第でアニメ化もあり得るのでは?そのためのアニプレックスなのでは?なんてね。

 

前置きが長くなったけど以下本編について。

DL容量が約3.5GB。これ本当にロープラか?ゼロ年代のフルプラ以上だぞ?時代は変わったなぁ、なんてことを思いつつ。

まず、アトリがロボットということである程度ギャルゲをやっていればシナリオの展開、方向性は分かると思う。どんなゲームなのかもOPを見れば察するはず。あぁうん俺は分かってるよそういうの、たぶん最後あれでしょ?という感じでプレイしていた。

要所要所には含みのある発言があって、これ伏線かな?なんて思ったりした。

前述の通り、日常が面白い。そしてアトリがかわいい。アトリのあくびはマジでかわいい。そしてシナリオはつまることなくスラスラと入ってくる。

青春モノに大事なのは周りを取り巻く環境や友人だと思うけど、今作の友人はめっちゃいいやつ。いいよねぇこういうの、だから日常が面白くなるんだよね。

ノベルゲーらしく選択肢が少しあって、エンディングは2つ。それを見たらタイトル画面からトゥルーエンドを選択できる。まぁ難しくない選択肢だし、普通のゲーマーなら選ぶべき選択肢がどちらか分かるはず。先に回収はしないで、選ぶべき方を選んでから回収するのをオススメする。

 

本作は失われたものを取り戻していく物語だ。主人公は片足を失ったが、失ったものは足だけではなかった。それがアトリという"足"を見つけて変わっていく。アトリによって変わっていく主人公、主人公によって変わっていく周り。

ではアトリは?アトリも失ったものがある。アトリも失われたものを取り戻していく。

徐々に明らかになっていく様々な謎。そして全てが繋がる。 

選択肢を越えた先、アトリが"あること"に自覚してからの展開は反則だった。

最後にトゥルーエンドを迎えて思ったのは、

 

アトリ、幸せになってくれ・・・

 

ということ。演出が憎いよ本当に。上手くやられたなぁ。

綺麗に伏線が回収された。全部が繋がったらもう言葉にできなかった。

冒頭の、

 

アトリ「時よ過ぎゆけ、お前は残酷だーー。」

 

そしてこれの対になる、

 

夏生「時よ止まれ、おまえは美しいーー」

 

震えたよね。そういうことか…ってね。 

これはもう本当に、ノベルゲーを初めてやる人にオススメしたい作品。自分の初めてのノベルゲーがATRIだったらドハマりする自信がある。テーマに掲げていた“ノベルゲームだから、おもしろい。”というのはまさにその通りで、絵があってテキストがあってBGMと声があって、これがノベルゲーなんだぞと。ATRIをきっかけにノベルゲームが普及したらいいなと思う。

2020年はまだ半分残っているけど、ロープラに限ればもう今年はATRI以上の作品は無いと思う。それくらい、みんな是非やってくれ、という作品だった。

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カニー!🦀